テープ起こしに使う録音

テープ起こしに使う録音って

テープ起こしに使う録音について

大学の秘書課で働いていると、教授の講演や理事の会議など、音声を録音する仕事が多いんですよ。備品のICレコーダーで録ったものを業者に渡して文字に起こしてもらい、資料にします。

けれど何度やっても録音が上手にできなくて、大きな雑音が入ったり、逆に声を拾えてなくて聞き取りづらかったり。納品してもらった原稿に「聞き取り不能」って書かれて、教授や理事たちから叱られてしまいます。

テープ起こしのことなら詳しいサイトがあって、そこで録音のコツを紹介されています。
例えば講演会であれば、ちょうどいい具合に音声を拾えるように、30cm離したところにICレコーダーを置く。もちろん途中でバッテリー切れがないように、常に新しい電池を入れ、録音モードは「高音質」を選ぶ。

会議の録音は特に失敗しやすいので、細心の注意を払っています。音を反響させないのが良いというので、昼間でもカーテンを閉めたり、あえてカーペット敷きの会議室を使ったりしています。ICレコーダーもハンカチの上に置いて、テーブルからの振動が伝わらないようにしているのですよ。

部屋で録音すると、ちょっとした動作が物凄い雑音になるんですよね。紙をめくる、水やお茶を飲む、咳をする……運悪く学生がしゃべりながら廊下を通ると、もう会議の内容が分からなくなるので、立入禁止にするくらいです。

蛍光灯やハードディスクが発する低周波の音も、意外とノイズになるんですよ。特に耳障りなのがエアコンで、これだけは絶対使わないようにしています。教授や理事たちからは文句を言われますが、録音を失敗しないためにも聞き入れてなんかいられません。

これだけ、しっかりと録音のコツを守っているのに、一向に改善される気配がありませんでした。最初は僕も素人だったので、こんなものかと納得していたのですが、そのうち違う問題があるように思えてきました。

そこで改めてテープ起こしのサイトに目を通すと、「音声の品質は機材に大きく左右される」って書いてあるじゃないですか。備品なので漠然と使っていましたが、説明書に書かれている仕様を見ると、そんなに機能が豊富ではないし、マイクも貧弱なんですね。どうやら何世代も前の機種みたいです。

音質の良し悪しを左右するのは「ビットレート」という圧縮率なのですが、備品のICレコーダーは高音質でも128kbpsで、かなり圧縮されているのです。今は「リニアPCM」と言って、ビットレートは1,536kbps、CD並みの録音ができて当たり前なんですよね。

マイクの性能も良くなって、あらゆる方向の音声を高音質で拾えるそうです。備品のICレコーダーは単一指向性と言って1方向しか拾えないので、講演会はともかく会議ではほとんど役に立たなかったのも頷けます。最新機種なら外部入力端子が付いているから、外部マイクやアンプから直に音を取り込む使い方もできそうです。

ICレコーダー自体にもノイズを消したり、音量のバランスを整えたり、空白を自動的にカットしたり、テープ起こしを容易にするための機能が豊富。それでいて価格は1万円前後とお手頃なんです。

さっそく僕は決裁書を作って、最新のICレコーダーの購入を猛プッシュしました。最初は渋っていた課長も、僕の熱意に負けて決裁を通してくれましたよ。おかげで録音時の失敗が少なくなり、テープ起こしもほぼ完璧に納品してもらえるようになりました。テープ起こしは業者選びだけでなく、録る側のコツや機材も重要なんですね。